ヴァンテージ・ポイント

毎回空いた時間と上映時間を照らし合わせて,観る映画を決めているのですが,今月は即決でした。
"ヴァンテージ・ポイント"です。
「大統領を撃ち抜いた1発を、あなたは8回目撃する」
「大統領を狙撃した一発。容疑者は8人。真実は一つ。」
のキャッチコピーに若干の誇張や嘘がありますが(笑),よくできた作品だと思いました。
スペインで開かれた,国際テロ撲滅会議。
その会議を主導していたアメリカ大統領を突如撃ち抜いた2発の弾丸。そこに居合わせた複数の関係者。ストーリーは,関係者それぞれの視点から見た事件の状況を,事件発生直前の正午から繰り返し見ることで,事件の全容が少しずつ明かされていきます。関係者は複数ですが,主にSPのトーマス・バーンズ(デニス・クエイド)と観光に訪れてたハワード(フォレスト・ウィッテカー)を軸に進められます。
徐々に明かされていく真実と共に,つながっていく人間関係が実にテンポよく,それでいて話の重さを保ったまま進められていく1時間30分。十分楽しめました。
ただ,大統領が狙撃される動機,事件の主犯となる人物やその背景等が描かれていなかったため,事件そのものの深さがなかったこと,終盤にカーチェイスがあるのですが,スピード感は十分なものの,細かい動きが練られてなかったのが残念でした。ですが何度も言うように,近頃のハリウッド映画の中では,かなりおもしろい作品でした。
最後に,ひとつの話をさまざまな視点で…という話にゲームソフト『街』(チュンソフト)を思い出しました。